戦争準備に突き進もうとする「安全保障3文書」の即時撤回を求めます
内閣総理大臣 岸田文雄 殿
私たち生活協同組合は、岸田政権が今月16日に突如として閣議決定した「安全保障3文書(国家安全保障戦略、国家防衛戦略、防衛力整備計画)」が、戦争に反対し核のない平和な世界を求める多くの国民の声を無視し、国会での議論をも軽視するものとしてただちに撤回することを求めます。
私たちは、2014年5月の「集団的自衛権の行使を容認する憲法解釈の変更」、2015年4月の「集団的自衛権を容認する閣議決定」、2015年9月の「安全保障法制の整備関連法」について撤回、反対の立場を表明してきました。今回閣議決定された「安全保障3文書」は、『戦後のわが国の安全保障政策を実践面から大きく転換する』趣旨として表明されていることから、集団的自衛権発動を前提に「反撃能力(敵基地攻撃能力)」を発揮するきわめて危険な内容として受け止めざるを得ません。
戦前の日本には200余りの生活協同組合が「国民の命と暮らしを守る」一翼として活動していましたが、戦時体制によって解散を余儀なくされた苦い経験を踏まえ、戦争のない平和な社会こそ生協運動を大きく前進させ、生協組合員や地域社会に役立つ土台であることを痛感させられました。私たち生活協同組合は、くらしの安定と生活文化の向上を願うとともに、世界中の人々が戦争のない安心して暮らせる平和な社会を維持し発展させていく立場から、今回の「安全保障3文書」の即時撤回と日本国憲法を生かした平和外交に舵を切られることを求めます。
2022年12月20日
鳥取県生活協同組合連合会